これは佐伯の親類の鉄道マニアのAさんが東京国際空港内のモノレールから撮った写真です。
Aさんがえらく怒っているで、何故かと聞きましたら、廃線になった旧高架をわざわざ切断してまで取り除くことはないではないか、災害時に新線が使えなくなったら、これが代替できるのにという理由でありました。
この写真を撮ったのが3月6日、その話を聞いたのが同じ日の夜、彼と食事をした時でした。まさかその5日後に
東日本大震災が来るとは夢にも思わない二人の会話でした。
東京モノレールも被害を受けたようでしたが、もし、新線が崩れていたら、旧線に切り替えて運行できるだろうにという鉄屋さんの発想に、なるほどと共感した次第です。まだ、残っているのかどうか知りませんが、莫大な金を掛けて撤去しなくても活用方法はあるという事例ですな。
余禄、翌々日広島へ帰る前に、同じ場所を撮ろうと場内循環バスのなかで立ってカメラを構えた途端に、この急カーブのために扉まで飛ばされてしまい、運転手からきつく叱られるという大失敗をやらかしたのも、情けない思い出であります。
その証拠写真 看板の向こうが切断部分
・ 2011/05/31 如何がなものでしょうか? Bさんから
モノレールの旧線活用の話がありましたね。私はあれを残してもまったく意味がないと思います。
いつ発生するかわからないトラブルの時のために多額のメンテナンス費用が掛かる(切り替えポイントが必要になりますが、鉄道と違ってモノレールの分岐は仕掛けが大掛かりです)うえ、国際線ターミナル付近でのトラブルの時しかバイパスの役目を果たさないからです。
一方、橋脚を撤去することにより、下を走る環8の線形が改善された上に拡幅されますので、撤去はごく妥当でしょう。
昔聞いた話では、イギリスでは運転休止した路線も保守がされていて、事故が起こった場合にはその休止線を使って運転が行われる仕組みが出来ていて、特急列車が走り抜けてゆくというのがありましたが、今の世の中ではイギリスもそんなことをしていないでしょうね。
・ 2011/06/01 Aさんの釈明
多分鉄系達人から「分岐機構のコストを考えていない能天気者が」という反論が来ると思っていましたが、ヒコーキマニアから来ましたか。
言われる通りです。ただ、その価格とリスク発生時のダメージを比較検討するのがリスクマネジメントだと思っています。
・ 佐伯から Aさんは、某自動車メーカーの社員で、勤務する工場は今回の地震で死者を出す被害を受けました。2か月半経って漸く正常に戻りつつあるということですが、その復旧作業の中でも、やはり、いろいろと感じることがあるようです。
原子力発電所の危機管理が根本から見直されていることにも通じる極めて今日的なテーマだと思います。平素は全く無駄に見える施設にどれだけの金を掛けるかの分かれ道は、神のみぞ知るの世界かもしれません。東大出の自認第一級知識人が右往左往する姿がまた見られるかもしれませんね。
ヒコーキに関係ない話のようで、実はFail Safe
Structureとして大いに関係していることは説明するまでもありませんで、2011年にふさわしい話題として取り上げました。
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では、箸休めに、3月8日(月曜日)に羽田で写した写真を載せておきます。
東京モノレール新線
空港内環八通り