HOME・SITEMAP 日替わりメモ 東京都の目次 東京国際空港総目次 写真で見る東京国際空港の歴史総目次         top

写真で見る東京国際空港の歴史 History of Tokyo International Airport seen with a photograph


1962〜3年 国内線ジェット機の売込み競争 

 
 

2

国内線ジェット機の売込み競争 勝者はボーイング727

 日航と全日空は増加する乗客への対応に国内線ジェット機の検討を開始しこれに呼応して62〜63年には各メーカーの猛烈な売込み合戦が展開されました。その勝敗の概略は次のとおりです。

  候補にあがった機名

  選考の概略

BAC-111

試験飛行中の事故で脱落

シュド カラベル10A

100席未満のため脱落

ダグラス DC-9-10

100席未満のため脱落

YS-11

国策により別途選考

ホーカーシドレー トライデント1C 1F

最終選考に残ったが、727に納期や着陸性能等で劣るために脱落

ボーイング727-100

トライデントよりも高価だが、諸性能が上回ることで決定


1 当時の各社雑誌掲載広告

  

  

  

 日航、全日空は、期せずして最終選考にトライデントとボーイング727が残り、1963年末に相次いでボーイング727を採用する気運となりました。その後、ホーカーシドレー社がトライデントの大幅値下げで攻勢をかけたものの、運輸省が両社共通の機種が望ましいとしていたこともあり、1964年1月13日に両社の協議が整って、ボーイング727に正式決定したものです。


2 シュド カラベルの売込み 

撮影1962/05/13 シュド カラベル F-BJAO サンタマリア号 geta-o


 短距離ジェット機売込みのトップを切って日本に飛来したカラベルですが、既に製造から7年も経っており、一面で日本国内のジェット化が遅れていることを関係者に認識させるきっかけにもなりました。F-BJAOは、SUD210-3型のエンジンをRR-エイボンからGE-CJ80ターボファンに換装しています。


3 ボーイング727の売込み

撮影09/23 ボーイング727製造3号機 ユナイテッド航空納入初号機 N7003U 赤塚 薫

 ボーイング社が、ユナイテッド航空向けのN7003Uを使って世界一周宣伝飛行の途次に東京国際空港へ寄ったものです。  航空歴史館総目次R114参照


4 ホーカーシドレー(デハビランド) トライデントの売込み 

撮影1963/10/09 DH-121 トライデント 1C BEA  G-ARPE geta-o


撮影1963/10/09 DH-121 トライデント 1C BEA  G-ARPE 荘文平


(販促写真) 航空史の思い出3-10参照

 

 ホーカーシドレー社は、日本国内で10月9日から1週間にわたってデモフライトを行うなど熱意のあるところを見せましたが、結局は、同じ3発リアエンジン形式のボーイング727に破れました。


 ボーイング727を選んだ理由を、全日空技術調査団(神田好武団長)の報告書から抜き書きしておきます。


・ 高揚力装置を持つため、短い滑走路でよい。
・ P&W JT8D-1が特に727用に開発されている。商用機向けエンジンとしては初めて。
・ 操縦系統が油圧、電気、手動で安全性に優れている。
・ 内外の防音処理が優れている。
・ APUを内蔵している。
・ 装備品の品質精度が高く、部品補給体制が組織的でケアが十分に期待できる。


5 乗り遅れたBAC111(ワンイレブン)の後年の売込み 

 BAC111は、1963年秋に全日空技術調査団が訪英中に事故を起こしたため、早々と脱落しましたが、その後1965年に米国でボーイング727の事故が3件立て続けに起きたこともあって、再度日本への売込みを開始しました。

 アジア・オーストラリアへの販促飛行の中で1966年2月15日に東京国際空港へ飛来し3日間招待飛行などを行いましたが、日本では同クラスのダグラスDC-9には勝てませんでした。

撮影1966/02/18 BAC111-400 G-ASYE geta-o

                                                            TOP

 

番外 スイス航空のコンベアCV990コロナード   2

 スイス航空は、チューリッヒ〜東京線の週3便をDC-6BからコンベアCV880を経て1962年3月からコンベアCV990コロナードに切り替えました。CV990の羽田初飛来です。(CORONAD コロナードは同社の愛称)

A-1 09/18 赤塚 薫

元写真


A-2 05/06 HB-ICC  ET


A-2 独特の内翼後縁のスピードカプセル


A-3 18年後スイス・ルツェルンにあるスイス交通博物館でHB-ICCに再会

A-4 

                                                              TOP