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   航空歴史館


日本航空協会主催航空五十周年記念大会 1953年12月

 

 
 
会場と各展示機写真 大野芳希
航空情報による開催経緯と以後の予定
ヒコーキマニアによる感想 つばさ会・温知会会報から

 

A3601-7 東京都千代田区日比谷公園 日本航空協会主催航空五十周年記念大会  1953年12月
       The 50th anniversary of aviation, Hibiya Park, Chiyoda-Ku, Tokyo

       

 

1 会場風景、各展示機写真 撮影 大野芳希

@ 陸軍川崎キ-61三式戦U改飛燕 (或る戦闘機の戦後史RS-0とともにご覧ください)



人物は木村秀政さんではないでしょうか







  応急処置で取り付けた切断主翼の支え棒
  

 

A 陸軍キ-115 特別攻撃機 剣 (剣の写真から横田基地の姿を探るA3608とともにご覧ください)

 

B 海軍特殊攻撃機 桜花 (桜花(空技廠特殊攻撃機)の変遷A3301とともにご覧ください




解説  戸田保紀 (2011年)
 これらの写真は大野芳希さんが、中学1年生の時二眼レフのリコーフレックスで撮影されたものです。撮影した日時は1953年12月17日から20日の間です。

 航空歴史館の先代航空ファンと戸田万之助さん の中で、私を航空ファンの編集部に連れて行ってくれた東京の友人、と言うのがこの大野さんなのです。私が東京に行くのと入れ違いに、大野さんは仙台の東北大学に入られ、卒業後は東北大学に残って教鞭をとられました。

 今年、大野さんから頂いた年賀状に、『いつもヒコーキ雲を見ています。戸田万之助さんの話は面白かったです』と書かれていました。インターネット航空雑誌ヒコーキ雲をご覧になっていたのか、と思うと、すっかりうれしくなり、同じ仙台に暮らしながらご無沙汰をしてしまったお詫びを申し上げようと、この4月はじめて大野さんのお宅に伺いました。

 きれいに整理された古い写真の中から、もう50年以上前に私が送った何枚かの写真が出てきたのには感激しました。大野さんが撮られた写真も見せて頂きましたが、その中に1953年12月ライト兄弟の飛行50年を記念して、戦後はじめて日本軍用機が日比谷で展示されたときのものがありました。

 私も当時発行された『航空情報』でこのことは知っておりましたが、運搬する道路幅の関係で主翼が切断された状態と書かれていたのが、実際には写真のように一体にされた状態で展示された事がわかりました。何より当時の情景が大変良く分かり、是非これは発表してくださいとお願い する次第です。(2011年記)  

2 航空情報による開催経緯と以後の予定 (航空情報1954年2月号80ページ )  




 飛燕と剣を羽田のターミナルビル敷地に置く予定としていますが、実際には三鷹の運輸省運輸技術研究所の1階倉庫に保管され、そこから各地の展示会へ貸し出されました。

3 ヒコーキマニアによる感想    3

    つばさ会・温知会会報 3-1 (昭和29年1月1日発行)より 



日替わりメモ2012/03/23

〇 ヒコーキマニアによる感想

” あの銀翼に日の丸をつけた旧日本機の姿をもう一度見たいと切望した方は少なくない。〜 キ-61、キ-115、櫻花の三機は日本に返還され、日比谷公園に展示されるという話を聞いた時の我々の喜びはまさにすざまじいものであった 〜 前の晩はうれしくて眠れなかった程 〜 銀色の胴体に日の丸をくっきりと描いたキ-61の前に立った時うれしくて涙が出そうになった‥ ”

 敗戦から8年目、この興奮の気持ちわかりますねえ。
 つばさ会・温知会会報のこの記事、署名が無いのでどなたの執筆か不明ですが、恐らく今につながる記録派、写真派、模型派、歴史派ヒコーキマニアの先輩たちの共通の感想ではなかったでしょうか。そして、各展示機の観察に続いての締めくくりの文章、

” 会場や説明には、まだまだ改良すべき点も多かったが、この展示会は、我々旧日本機マニアにとっては戦後最大のショーともいえよう。是非、地方のファンの為に各地で開いてほしいものだ ”

 キ-61、キ-115、櫻花にモ式六型と立飛R-53、たったこれだけの機種といえども日本航空協会の苦労は大変なものだったそうです。しかし、戦後最大のショーというマニアの興奮ぶりからすればその苦労は報われたというべきでしょう。たくさんの新鋭機が並ぶ現在の航空ショーに馴れてしまった私どもは、相当に贅沢な境地の中に安住させて貰っているというべきなのかもしれません。54年前のマニア会報からそのことを感じ取る次第ですが、さて、50年後にはどのようなことになりますか。

 

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