HOME SITEMAP 日替わりメモ 日本におけるベル47系ヘリコプター研究総目次

航空歴史館 

日本におけるベル47ヘリコプターの歴史

  ベル47ヘリコプターの技術あれこれ

ローターブレード

ハンドクランク
航空情報国内ニュースに載ったベル47の技術開発
制作中 ベル47ヘリコプター 薬剤散布ほか
制作中 リジットローター実験機

    


・ ベル47のローター

・ ベル47のローター断面

@ ローター根元部分の断面
ベル47G-2タイプのローター断面 実物提供 中西貞夫


A ローター重心位置から先端寄り部分の断面

 半分を松材の代りにバルサ材としている、重量軽減のためか。

ミュンヘン博物館に展示してあるベル47のローター断面  撮影 井上 進


 


・ 木製ローターの扱い難さのこと

 東京航空高専の47G JA7021は、ローターブレードを木製から金属製に取り替えられています。その正式な理由は承知していませんが、多分、木製ブレードの耐久性や扱い難さによるものだろうと思われます。その一例を示します。

 木製ブレードは、湿気の多い日本では悩みの種で、例えばタイダウン(繋留時ブレードを繋ぐ)時に赤白の順を日替わりで替えたりするほどデリケートでした。左右のバランスが10円玉1枚の重さでも狂うと振動するので、図のように先端にバランスコンテナー(鉛の重り)を入れて調整します。ブレードカバーの防水にも気を使います。
 

 関連しますが、寒い夜には、オイル配管に石綿を巻き、油はドレンして室内の持ち帰ったり、バッテリーに毛布をかけたりとさまざまな苦労がありました。(片山秀次)


・ ローターブレードの表示


川崎ベル47G-2のローターブレードの表示

警視庁広報センターに展示してあるJA7047

ブレードの自重 : 92.7 Lb
ブレードの重心位置 : M/R マストの中心位置より、STA 92.0in
                                   
前縁側より、コード長の 27.1%
    
この位置に直径2mmぐらいの真鍮の釘が打ち込んであります。ブレードの STA (ステーション)とは、米軍の規定により、マスト中心線よりあらわすと定められています。
 
修理 : JAM(新日本航空整備)現在のJAMCO 1974 OCT  1  実施
 
 
因みに製造番号のプレートは5cm角ぐらいで、付け根付近の表側にあります。

 赤い棒状のものは、ハンドクランクといって、スターターが壊れたりバッテリーがだめになったときに、エンジンのクランク部に差込、エンジンスタートをするために、機体に装備されています。実際に使用したことは、私はありません。
 
北海道に行った人は、冬場、これで先にエンジンを手回ししておくと言ってましたが。挿入するところは、斜めにスリットが入っていて、エンジンが回れば、必ず外れる構造になっていました。 
(宮津厚雄 )
                                


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ハンドクランク
川崎ベル47G-2 JA7047

 赤い棒状のものがハンドクランク です。スターターが壊れたりバッテリーがだめになったときに、エンジンのクランク部に差込、エンジンスタートをするために、機体に装備されています。北海道の冬場ではエンジンスタートの前に手回ししていたそうです。

川崎ベル47G-2 ライカミングVO435エンジン JA7310

 クランクシャフトに直結するベベルギヤーに、スターターと外部出力取り出し口があります。右側がスターターで、左側に図のように出力口があり、ハンドクランクを差し込みます。ハンドクランクをまわすと逆転防止用のラッチが「チャカチャカ」と音が出ます。挿入するところは、斜めにスリットが入っていて、エンジンが回れば、必ず外れる構造になっていました。
 
 なお、液剤散布用ポンプもこの出力口に取り付けます。
                                  (宮津厚雄
中西貞夫)

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 Model 47D-1 と Model 47G の燃料タンクの違いについて
川崎ベル47D-1

 上記の燃料タンクの形状が 国内で多く使用されたModel 47Gと異なりエンジン後方上部に配置されています。
 Model 47D-1は US Armyで使用されたH-13Dの元になっており当機体が国内展示されたこともあり写真がありますので技術的な違いを比較してみます。

 Bell Model 47D-1 パワープラント & 燃料タンクイラスト

 Bell Model 47D-1 燃料タンク 部品図抜粋


 Bell Model 47G,G-2 パワープラント & 燃料タンクイラスト


 Bell Model 47G,G-2  燃料系統 部品図抜粋

 Model 47D-1は燃料タンクがローター中心よりも後方に配置されていたので、燃料の搭載量により機体重量バランスが前後します。
 D-1では29ガロンで満タンまで入れると 96kg程度の重さがあります。
 Model 47G以降では燃料タンクが最大59ガロン程度まで容量が増えており、ローターを挟むように機体重心の中心近くにタンクを配置した効果は大きそうです。
 下記の機体3面図では重心がローター軸の2インチ前方に設計されているようです。 

 BELL Model 47G-5 機体3面図 及び 重心

 また、Model G以降はタンクをローターの両脇に配置したことによりエンジンの上に近くなることから熱対策で タンク下回りにファイヤーシールド(防火板)を設けダクトで空気が送られているようです。 

 BELL Model 47G-5 Fire Shiled Installation 部品図抜粋

引用資料
 Bell 47 D and G, & G-2 Maintenavce Manual 1969年版
 Bell 47 G and G-5A  Illastrated Parts Breakdown 1977年版
 STEPHEN HARDING著 US ARMY AIRCRAFT SINCE 1947

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航空情報国内ニュースに載ったベル47の技術開発    航空情報

もみまきの実験 航空情報1962年7月号国内ニュース

航空撮影 航空情報1967年2月号国内ニュース



林野火災消火
 航空情報1970年4月号国内ニュース



シャフト腐食対策
 航空情報1971年1月号国内ニュース


全日空での技術開発 全日空のページ参照

農薬散布時の事故対策 農林航空協会のページ参照

陸上自衛隊での武装化研究
 陸上自衛隊のページ参照

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日本におけるベル47各型式の主な相違点

各型式 製造会社 発動機 馬力 ローター 尾部 燃料タンク 搭乗人員
 ベル47D ベルエアクラフト フランクリン6V4-200-C32 200 木製2翔   1個 29ガロン 2名
 ベル47D-1 ベルエアクラフト フランクリン6V4-200-C32 200 木製2翔   1個 29ガロン 3名
 川崎ベル47D-1 川崎機械工業 フランクリン6V4-200-C32 200 木製2翔   1個 29ガロン 3名
 川崎ベル47G 川崎航空機工業 フランクリン6V4-200-C32 200 木製2翔 水平尾翼 2個 43ガロン 3名
 川崎ベル47G-2 川崎航空機工業 ライカミングVO-435-A1B 200 木製2翔 水平尾翼 2個 43ガロン 3名
 川崎ベル47G-2A 川崎航空機工業 ライカミングVO-435-A1E 240 金属製2翔 水平尾翼 2個 43ガロン 3名
 川崎ベル47G3B-KH4 川崎航空機工業 ライカミングTVO-435 260 金属製2翔 水平尾翼 2個 55ガロン 4名
 ベル47J ベル ヘリコプター ライカミングVO-435-A1B 220 金属製2翔 水平尾翼  35ガロン 4名
 ベル47J-2 ベル ヘリコプター ライカミングVO-435-B1B 240 金属製2翔 水平尾翼  48ガロン 4名
 ベル47G3B-1 ベル ヘリコプター ライカミングTVO-435T1B 260 金属製2翔 水平尾翼 2個 57ガロン 3名
 ベル47G-4A ベル ヘリコプター ライカミングVO-540-B1B3 280 金属製2翔 水平尾翼 2個 62ガロン 3名
 ベル47G4A  ソロイ ベル ヘリコプター アリソン250-C20 228 金属製2翔 水平尾翼 2個 59ガロン 3名
 ベル47G-5 ベル ヘリコプター ライカミングVO-435-B1 265 金属製2翔 水平尾翼 2個 59ガロン 3名

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