益城町の熊本空港に展示されている戦後初の国産旅客機「YS11」の特別公開が、14日に同空港である「空の日フェスタ」を最後に終了する。展示機は解体される予定で、ファンからは惜しむ声も上がる。 同空港の民営化に向け、熊本地震で被災した国内線ビルをいったん移転する仮ターミナルが展示場所一帯に建設されるため。
YS11は64人乗りのプロペラ機で、1962〜73年に182機が製造された。展示機は67年に造られ、2003年まで国土交通省の検査機などとして使われた。その後、崇城大が教材として使用。13年に熊本空港ビルディングが譲り受け、国際線ターミナル南側に展示してきた。
月1回ほどの特別公開日には機内見学を実施し、これまでに計約2万8千人が“搭乗”。貸し出しの子ども用制服を着て操縦席で記念写真を撮ることができ、人気だったという。13日、長男の将宗ちゃん(2)を抱いて見に来ていた大津町の藤田誠さん(34)は「戦後復興期を象徴する航空機。これで最後と思うと残念ですね」と惜しんだ。
解体後、コックピットの計器類や操縦かんなどは国内線ビル内に展示する方針。同ビルディングは「YS11の名残を感じてもらえるよう工夫したい」と話す。