風速計が回っている。 滑走路の一隅に、国産機「イーグレット」が待機している。 事務所から、身支度した鳩子が、等を連れて、出てくると、近づきながら、 鳩 子 「あれよ、パパの関係している子会社が作った国産機」 等 「ははあ、後藤又航空が始めて試作したイーグレットってやつだな」 鳩 子 「意外と詳しいじゃない」 等 「それはもう、飛行機だけがぼくの趣味ですからね‥‥‥ なるほどなあ、こい つあいいや、手頃で‥‥‥(と、機体を軽く叩いたりしながら)ぼくも、金に余裕 があったら、一台、買いたいと思うな」 鳩 子 「そう思うのは、あんたぐらいよ。まだ、ぜんぜん買い手がつかないらしいわ さ、乗りましょよ(と、気軽に操縦席に乗り込む)」 等 「O・K! ブアーツと飛んじゃおう、ブアーツと!」と続いて乗り込む エンジン始動 操縦桿を握る鳩子 鳩 子 「行くわよ!」 |