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書評
東京国立文化財研究所(現在は独立行政法人文化財研究所 東京文化財研究所)は、古代遺跡や重要美術品の保存修復でよく知られていますが、平成12年度からは近代の文化遺産の保存修復の調査研究に乗り出し、最初の対象分野として航空機が取り上げられたのだそうです。独立行政法人に変わってからどうなるのか不明ですが、日本でもやっと国レベルで航空機の保存修復が考えられるようになってきたということで意義があると思います。
この本は、同研究所の修復技術部が二度にわたって行ったシンポジュウムの発表を中心にして編集されたもので、航空機の保存と修復について日本で初めてのまとまった文献であり、おなじみのロバート ミケシュさんの論文をはじめ世界的なレベルで現状を概観することができます。