昭和35年の大映映画”暁の翼”に登場するT-33A 71-5257について疑問です。
1959(昭和34)年4月22日、第3操縦学校分校のT-33Aが土佐南方沖海上で墜落、パイロット2名は50時間後に救出されたという事故が元ネタです。
映画制作時に第3操縦学校は本校、分校共に解隊していますので、同校を引き継いだ第17
飛行教育集団(1959/06/01発足)が撮影に協力しています。
劇中に登場している第17飛行教育集団のT-33Aは尾翼に三種の神器の一つである八咫鏡と数字の17を合わせたマークが描かれています。
興味深いのは劇中で主人公達が搭乗するT-33Aのシリアルナンバーです。(71-5257)
脚本の元本は「257号機帰還せず」だそうで、実際に71-5257は1959(昭和34)年4月22日の墜落で失われています。映画はその後に撮られているのに、八咫鏡の71-5257機が登場します。しかもこの71-5257は自力滑走し、離陸、雲海の上を飛行しています。ですから模型や特撮ではありません。
当時のT-33Aはチップタンクのディグロウ塗装も無いジュラルミン剥き出しの無塗装機なのでオリジナルナンバーを消して記入し直せば、その痕跡がありそうなんですが劇中でアップになったピカピカの71-5257機の機首にはそれも見受けられません。
映画撮影のために抹消機のナンバーを復活させたんでしょうか。それとも新造機を一時的に71-5257機に仕立てたのでしょうか。
・ 泡盛おやじのページに写真あり
(写真は、2013/11/29現在削除されているようです)
http://minkara.carview.co.jp/userid/1091585/blog/25057316/
・ 航空情報1960年4月号
航空情報1960年5月号