1962年1月10日、海上自衛隊大村航空基地所属のグラマンUF-2が木更津基地に着陸する時に右脚を堤防に引っ掛けて
主翼取り付け部から吹っ飛び、油圧がきかなくなって左脚が引き込まなくなり、それでは陸にも海にも下りることができないので、岩国
航空基地が緊急着陸態勢をとる中で、木更津から大村までの航空路がクリアーされて飛行し、無事大村に着水、揚陸できた事故がありました。
大事故に至らなかった原因は、
・ 搭乗していた整備士が普段から油圧故障について研究しており、めくら蓋を作って持ち込んでいたので、これで油圧パイプの閉塞に成功し
、手動ポンプを交代で約1時間動かして左脚の収容に成功したこと
・ 右脚の残っていた水平支柱を折るために、胴壁を破ってロープを先端に引っ掛けて手繰り寄せ、胴側に縛り付けることに成功したこと
・ 大村航空基地司令が状態をしっかり把握して各方面へ要請を行い、かつクルーへ適切に指示を続けたこと等があげられています。
この海上自衛隊水上機
の歴史に特筆さるべきエピソードは、当時の日辻大村航空隊司令が書き残しているものです。
日辻常雄著 「大空への追想」 1981年海上自衛隊安全月報別冊 海上自衛隊航空集団発行 非売品
歴史に残すべき記録として該当部分を無断拝借しておきます (佐伯)
この機体のナンバーを知る人はいませんか?
解決 460ページの写真を見落としていました。事故機の収揚作業とあり、オ−9053のナンバーが写っておりました。
グラマン社飛行艇の中で、グースは胴体の中から斜めに主輪の脚柱を出すタイプでしたが、マラードとアルバトロスは高翼から脚柱を伸ばして、複雑な折畳みで車輪を胴体内に収容するタイプにしました。
主脚開
主脚閉
新明和甲南工場のスベリから進水の状況
ギアアップ