A JQナンバーのYS-11 大韓航空向けJQ2104 JQ
撮影1969/04/01 名古屋空港 akiba17 提供PAPPY
c/n2104であれば03/27に初飛行したばかりのピカピカの新造機
c/n2104は、この後1969/12/19に日航製造所有でJA8751に登録され、大韓航空カラ―に塗装されましたが、キャンセルになり、翌1970/01/06にOlympic
AirwaysのSX-BBJに登録変更され、1977年に日本へ帰ってからは東亜国内航空でJA8757に登録されます。
”JQ”はSTOL実験機の飛鳥が試験飛行の時に付けていました。
JQ8501 → JA8501 A4402参照
JA8757の経歴
1969/03/27 |
c/n2104 YS-11A-301 JQ2104で初飛行
(後改修-600) |
1969/12/29 |
JA8751登録 日航製造
(後にJA8751はc/n2121 Piedmontniに付与) |
|
大韓航空カラ―に塗装するもキャンセル |
1970/01/06 |
SX-BBJ Olympic
Airways |
1970/08/20 |
JA8757再登録 日航製造 |
1970/12 |
LN-MTA Mey Air |
1976/10/04 |
JA再々登録
日航製造 東亜国内航空リース 愛称かいもん 定置場東京国際空港 |
1980/10 |
東亜国内航空
愛称かいもん 定置場東京国際空港 |
1981/03/04 |
JA抹消登録
N113NP Mid Pacific Airlones |
JQナンバー機のリスト (2011/03/26 下郷リストから)
YS-11の”変わり種No.”のJQですが、全16機が確認されました。製造番号にJQを冠していた理由は、ロールアウトしたものの、販売先との交渉が契約に至っていないなどのために、国籍記号を付しての耐空証明が得られないために、特別の許可を得て飛行を行うためと推定されます。
c/n |
JQ No. |
初飛行 |
JA No. |
JA 登録 |
Note |
2046 |
JQ2046 |
1967/09/06 |
JA8685 |
1968/01/06三井物産 |
1967/12/02 LANSA
OB-R-907 |
2088 |
JQ2088 |
1968/11/28 |
JA8832 |
1983/03/29富士工業
|
1969/06/24
Austral Airlines LV-JLG |
2089 |
JQ2089 |
1968/12/01 |
JA8756 |
1969/12/01日航製造 |
1970/02/16 Air
Afriqueリース TR-LPG |
2104 |
JQ2104 |
1969/03/27 |
JA8757 |
1969/12/19日航製造 |
1970/01/22 Olimpic
Airways SX-BBJ 後にTDAかいもん |
2105 |
JQ2105 |
1969/04/03 |
JA8750 |
1969/08/28日航製造 |
1969/10/31 東亜航空リース |
2106 |
JQ2106 |
196904/12 |
JA8758 |
1970/01/09日航製造 |
1970/01/17 Plimpic
Aieways SX-BBM 後にTDAきたみ |
2107 |
JQ2107 |
1969/04/19 |
JA8774 |
1969/12/17日航製造 |
飛行試験に使用時JA8759と誤記入
1970/12/21 大韓航空リース |
2110 |
JQ2110 |
1969/05/28 |
JA8762 |
1969/12/05日航製造 |
1969/12/26 Chaina
Airlines B-156 後にANA |
2128 |
JQ2128 |
1969/10/30 |
JA8821 |
1979/04/19全日空 |
1970/02/05 Air
Afriqueリース TR-LPJ |
2129 |
JQ2129 |
1969/11/01 |
- |
- |
1971/03/29 Gabon Government TR-KIA |
2135 |
JQ2135 |
1970/01/27 |
JA8763 |
1970/04/04東亜航空 |
後にTDAえらぶ |
2139 |
JQ2139 |
1970/03/05 |
JA8779 |
1971/04/26日航製造 |
1971/04/28 Korean
Airリース HL5222 |
2141 |
JQ2141 |
1970/04/3 |
JA8765 |
1970/06/04日航製造 |
1970/06/05 東亜航空リース 後にTDAやしま |
2142 |
JQ2142 |
1970/04/14 |
JA8766 |
1970/07/24日航製造 |
1970/07/24 東亜航空リース 後にTDAとくのしまa |
2146 |
JQ2146 |
1970/6/20 |
JA8772 |
1970/06/20日航製造 |
1970/10/29 全日空 |
2152 |
JQ2152 |
1970/9/21 |
JA8759 |
1970/09/21日航製造 |
1970/12/01 日本国内 後にTDAだいせつ |
日替わりメモ2011/03/26
〇 JQナンバーの謎について
・ 無線局名(呼出符号) はねぶたさんから
JQレジについてですが、あれは無線局名(呼出符号)と航空機製造関係者から聞いたことがあります。つまり、(当時の)運輸省ではなく郵政省管轄の記号番号です。
最近はあまり見ない気がしますが、昔は引渡前の新造機等で時々見られました。慣例なのか申請なのか規則なのかはしりませんが、当時のJAナンバーと同じ付番則に従っているものが多く、新規登録後はQをAに書き換えるだけで良いようになっている場合がほとんどだったように思います。
想像しますに、但し書きによる未登録機の試験飛行は認めても、未登録のレジを記入したり名乗ったりすることは認めない、が、登録記号に類する呼出符号は明記しなければならない、とするような硬直運用の結果なのではないかと。
最近は現実的な運用を認めたために見かけないのであって、国内産の民間新規登録機が少ないから見かけない、訳ではない、と思いたい、のであります。
・ 電波法によるものか 宮津さんから
耐空証明書がなければ、航空の用に供してはならない、大原則です。
しかしながら、航空法第11条但し書きで、申請の上、国土交通大臣の許可があれば飛行出来ます。私は某ヘリポートのBK117C1型の試験飛行で、”航空法 第11条但し書き”が機内に搭載してあったのを見たことがあります。
YS-11が、基本型式承認が発行されていても、一部改造等にて飛行証明する必要がある場合、耐空証明書が発行されません。航空機として、型式証明がなければ認められない、同時にJA番号の取得もできません。
しかし、電波法で、呼び出し番号を決める必要があります。よって、JQxxxxというコールサインにしたのではないのでしょうか。ちなみに、電波法も、耐空証明書がなければ試験電波発射の許可がいります。
耐空証明書の発行により、正式な無線局となります。
電波法は、詳しくないので、JQの意味は知りません。以上。知っている範囲です。
佐伯から : アマチュア無線で
ハロー CQと呼びかけているあれと同じような意味だったのですね。 それで電波法令を見てみましたが、その膨大な条規の数々に恐れをなしました。JQの文字がどこにあるのか教えてほしいです。
なお、ハロー CQのアマチュア無線局がこのたびの大震災と原発事故に際して陰ながら活躍されていることを申し添えておきます。
2021/12/14 日替わりメモから
〇 JQナンバーの謎について 続編 はねぶたさんから
先日岐阜基地で発生したP-1の滑走路逸脱は防衛省納入前と言う事で運輸安全委員会の調査対象となりました。
https://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/detail2.php?id=2296
ここでは登録記号をJQ5533としています。
かつて同様に調査対象となったAH-1Sの事故では登録記号無しの扱いでした。
https://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/detail.php?id=732
総務省の無線局免許情報で検索してみると
https://www.tele.soumu.go.jp/musen/SearchServlet?pageID=4&IT=C&DFCD=0001499039&DD=1&styleNumber=11
川崎重工業が航空機局で免許を受けていますが、無線局名とか識別信号とか言った項が無く
設置場所がJQ5533になっています。 さて、ニワトリか先か卵が先か。
日本の国籍記号がJAであってJQではない事から、正確には登録記号ではないでしょう。以前私にあれは無線局名と教えて下さったのは、航空機製造に携わる企業の役職者で現場に詳しい方でしたし、Aに変えてQ符号など無線通信を連想させる文字を使っているところからもJQナンバーは無線局名だと信じていますが、上記の資料からは機体そのものがJQ5533であるように見えてしまいます。
無線で呼び出すのは機体だから間違ってはいない、ということなのか…?
酒井から :
謎めいたJQ表記ですが、すでに誌面で掲載している貴殿のお話しとフィリピナスオリエントの新聞の切り取り記事がまさしく的を得ていると思っています。
JQ表記をする必要とその後の認可でJAへの書き換えの簡素化、P-1の話しも登録記号と謳っていますね。
要は試験飛行の段階でJA登録にはなっていない、ならばフライトする時のコールサインをJQ記入となっているのかと想像します。
しかし、このあたりの決定稿の書籍が存在する訳で、そいつを見てみたいし雲で発表したくなります。
口頭で決めたわけではないでしょうからね。
JQならぬハローCQは、カムクイックの意味だそうですが、ではJQは何でしょう?
私の想像はジャパンケベックのラジオコール以前に、クエスチョンの頭文字だと思うのですが、いかがでしょう。
更 2022/07/02 日替わりメモから
〇 JQナンバーの謎について 続続編 はねぶたさんから
以前JQナンバーの新たな謎として運輸安全委員会が川崎P-1の登録記号をJQ5533としていた件をお送りしました。
昨日(2022/06/30)
当該機の重大インシデント報告書が公表されましたが、登録記号の表記が7033(製造番号)に変わっていました。やはりJQナンバーは登録記号ではない、ということですね。
P-1哨戒機 5533 航空重大インシデント調査報告書
イガテックから: JQナンバーについて KV107II研究 のページで輸出向け機体の写真を掲載していますが、輸出向け期待を船まで運搬のための飛行の際に付けられている機体番号がJQと書かれています。 当機体の場合はシリアル番号です。 P-1哨戒機はシリアル番号ではなく、すでに決まっていた機体番号にJQをつけた形で試験飛行の体裁をとっていたのではないでしょうか。
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