Blue1さんから座間市市役所に展示された雷電21型のパネルについてレポートがありました。
レポート 2020/07/15 Blue1
かつて、座間市と大和市に跨る地に「高座海軍工廠」があった。 此処では8,000人ほどの少年たちが台湾から動員され働いていた。 詳しくは座間市HP「高座海軍工廠と台湾少年工」を参照。
座間市に寄贈され展示公開が始まった、「雷電21型」の胴体外板を見てきました。 説明には鑑定結果により完成機の外板ではなく、工作見本であろうと記されている。 見本、又は試作品だとしても雷電そのものであり、存在価値は非常に高い。 見学の翌日に地元で座間の歴史探検をされている方のサイトを知りました。 ブログには2005年に所有者のお宅を訪ねた記述があり、写真もあり同一の外板でした。 一般に知られたのは本年一月に、所有者の大矢氏が市に寄贈しプレス発表されてからと思います。 また、台湾の元少年工らとの交流を続けている「日台高座友の会」から展示ケースが寄贈され、貴重な産業遺物の常設展示が可能になりました。
座間市役所の正面入り口を入ると奥のホールが目に入る。 目を凝らすと遠く真正面中央にガラスケースに収められた外板が見えてくる。
ホール右側は印鑑証明や戸籍謄本の交付を待つ市民課のロビー。 左側は福祉関係のロビーとなっている。 コロナ対策で席がまばらに見えるが、市庁内で一番出入りの多い箇所、そのど真ん中に「雷電」の外板が展示されている。 窓口の生涯学習課のご担当に伺うと、関係者で協議しこの場所に決定したという。 日常の中で見られる展示場所として、打って付けであろう。 また市民の反応も多くあり、7/9付け「讀賣新聞朝刊」を見ての問い合わせも複数あったそうです。
しゃがんで見入っている若者に「飛行機お好きですか?」と尋ねると、「違います」の言葉が返ってきた。 かつてこの地に軍の工場があったという事はご存じの様だった。 右側の掲示板には展示物の説明と、寄贈式のパンフが置かれている。
外板の大きさは横が約150p、縦が約130p、重量は約7kgとのこと。 幅があり広い操縦席を実感できる。 地肌の薄い赤みは何だろう。 長らく外にあった事による表面の荒れや汚れくすみであろう。 退色した朱色のプライマーとは思えない。 裏側は灰色で汚れに見える。 単に汚れを落とした程度の現状維持の展示と推察した。 地肌が磨き上げられれば展示物としての印象は違って見えるかもしれない。 ケース台にある寄贈者名プレートの「日台高座友の会」は、元台湾少年工達との交流組織名です。
上から覗くと、外板の内側が写って見える。 担当者のアイデアで奥のガラスケース内側に蒸着メッキテープを貼ったとのこと。 写り込みは鮮明ではないがアイデアだ。 全体に枕頭リベットを使用しているが、風防が重なる箇所は通常の丸リベットと使い分けてある。 所々に鉄鋲がある。
上から覗き込む。
裏から覗き込むにはケースが奥と密着しているためスペースがない。
上部左上から 上部右上から
上部左側 (操縦席側から見ると右側)
下部左側 (操縦席側から見ると右側) 下部右側 (操縦席側から見ると左側)
下部のバネル接合面(機首側上面)、左右の長さが合っていないことで完成品でないと判る。
ケース内には、外板の箇所を示す図面と、タミヤ製の1/48と思われプラモが展示されていた。
掲示板に貼られた説明書