南明ホテル(熱海市咲見町8-3)の玄関ロビーの置いてあります。格式ある造りで、歴史もありそうなので、マネ−ジャーと思われる方に尋ねましたが、「おじいちゃんが持っていた」程度の返事しかいただけませんでした。(Ota)
遊具のプロペラか
これは、見れば見るほど飛行機のプロペラとは思えなくなります。
面白い実話があります。
大正元年奈良原男爵の鳳号が、鳥飼繁三郎氏のプロモートで広島の東練兵場で飛行した時の事、前日の試験飛行でプロペラを折ってしまい、10月29日オトグンチという広島地方最大の秋祭りの
よき日を前にして奈良原夫妻などが青くなっているのを尻目に、鳥飼氏は予備はないが、広島の大工さんに作らせるさと答えたそうです。
翌日、同乗する中国新聞社の佐伯嘉一記者がどうしたのかと鳥飼氏に聞くと、壊れたプロペラを見本に徹夜で削らせたら、どうにか似たようなのができたということで、白戸操縦士による鳳号は数千の観衆の前で見事に飛んだというのです。
90年前の広島に積層材の在庫などあるわけがないですから、多分無垢の材木を削ったのでしょう。毎分1〜2千回転でぶん回されたら木目のところから裂けてしまいませんかね。白戸飛行士は一旋回くらいで降りてきただろうと想像します。
熱海のホテルの零戦プロペラなるものも、悪いですがこれと大同小異、恐らく遊園地の飛行機遊具か、木工好きの人が趣味で作ったものではないでしょうか。零戦という文字で人々を惹きつけるなら、航空思想の普及にいくばくかの貢献はありますけど。間違っていたらご免なさい。
(2005/12/06記 佐伯邦昭)