2 艇底の色について質問 かつお
97艇のプラモデルは古くからハセガワから1/72スケールで出ていて私も造り、軍用型は今も壁にかかっています。
4年ほど前に学研の本でこの民間機資料が出ていたことがきっかけで、このキットで民間型をと思い立ち着手しました。機銃座の大きな窓を埋めたり、客席窓を開けたりでかなり手間取りましたが何とか出来ました。記号はJ-BFOZですから「綾波」です。
さて、学研のカラー図面は、艇本体とフロート下面が赤になっており、当時の日本人の感覚では赤はどうも馴染めないような気がしながら、半信半疑で一応赤を塗りました。
そもそも、学研のこのシリーズは軍艦屋が手掛けているので、航空機に関しては間違いが多いのです。
この図でも、キャノピー後部に赤線があります。プロペラ位置表示線を描いた積りでしょうが、位置がかなりずれています。
また、主翼下面の記号が「J」だけというのも全く異例です。考証のあとが見えません。
問題の艇本体とフロート下面については、日本の軍艦と同じ考えで赤にしたのでしょうか。軍艦屋の思想ですね。
同じ海軍でも水上航空機には赤を使っていないように思います。いわんや、民間機にそんな派手な色を用いたのかと疑問に思う訳です。
どなたか、正解をご教示ください。
参考 アメリカから返還された直後の二式大艇 艇底は赤ではありません
撮影1979 阿施光南
2012/07/30
艇底の色について回答
1 川村忠男
「南海の花束」DVDで確かめて見ました。
1.艇底およびフロート底面は、白黒画面なのでコントラストで確かめるしかありませんが、上面色のトーンと変わらないので、どちらも赤色塗装などはなく、上面色と同色のようです。
2.、「プロペラ線」は、黒っぽく映っていますが、赤かどうかまでは不明です。回転面より前よりのような感じがします。プロぺラ回転面が胴体上面に一部かかっているので、もしかすると、ここより後ろには行くなという予防線かも知れませんね(警告文らしきものは表示がないようでしたが)。
3、主翼下面の識別記号ですが、先に登場する機体J-BGOBは、右翼にJ-B、左翼にGOBと表示してあるように見える場面がありました。終盤で登場する機体J-BFOYを下から撮ったシーンで、0-32という記号が、左右翼下面の日の丸とフロートとの間ににそれぞれ、文字の頭部分を前縁側に向けて翼幅方向に、記入されていました。
追記
会社の先輩に大日本航空の大艇の
機関士をやっていた人がいて、いろいろ当時の話を聞いていました。
「現地に着水すると、現地人がロープ付いた浮き輪と共に泳いで来る。ロープをたぐると、ロープを曳いた台車が来る。機関士は海に飛び込んで潜り、台車を艇体に取り付ける。ロープがウィンチで牽引され、飛行艇は揚陸される。」という話でした。定期便寄港地には、揚陸ランプが備えられていて、海上に停泊することはないうようでした。
着水後はすぐに陸揚げされ、次の出発まで陸上にあるので、フジツボの心配もなく、船舶用船底塗装の目的としての赤色塗装の必要は無さそうです。
南海の花束DVDでは、J-BGOB機では、艇底やフロートが大写しになるシーンがあり、図面のような赤色塗装が無いことは明確にわかります。J-BFOY機では、下から撮った飛行シーンで、艇体やフロートの底面がしっかり見え、そこだけが暗いトーンにはなっていないことからも赤色塗装でないことは明確です。
航空朝日の写真左上の機体は、学研図と同じに見えなくもないのですが、少なくとも上記2機には塗られていなかったことは確認できます。
2 大石治生
大日本航空九七式飛行艇の艇底塗装ですが、航空朝日の昭和16年8月号に写真が掲載されています。(映画:南海の花束の紹介記事?)
模型店で有名なピンバイスの書籍販売コーナーに見開きで写真掲載。主翼下面の記号も上面と同じであると確認できます。 http://pinvise.net/book_asa4108.html
艇底部分が塗り分けられていますが、白黒写真のため色までは確認できませんが、艦船の船底塗装と違い部分的にしか塗られていないので、フジツボ等の付着防止ではなく民間機として南洋での活動時に軍用機と間違われないようにとか遭難転覆時に目立つように塗られていたのではないでしょうか。
軍用飛行艇の場合、迷彩の意味からも艇底の塗装は陸上機同様に地上から目立たない色に塗られていたのでしょう。(フジツボが付着するほど海水に浸かっていたら艇体自体が腐食してしまうでしょうし。。)
※ 九七式飛行艇については与路島沖に沈んでいる機体の水中映像がyoutubeで紹介されています(1995年にNHKで放送されたものですが) http://www.youtube.com/watch?v=zsX-7BQPPAU
因みに戦前の民間機は機体を銀色に塗られたものが多くありますが、お役所などから何か塗装規則の通達などが有ったのでしょうか?
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